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最新の製造業の頂点:  プラホヴァの新工場がテーパローラベアリングの世界的なリーダーとして拡大

ティムケンで勤続27年間のダグ・スミス氏は、設計と開発、研究開発と品質管理の指揮、中国およびインドの製造工場の建設と運営、アジア事業の監督など、テーパローラベアリング事業のほぼすべての側面に関わってきました。

10年近く前にスミス氏は米国に戻り、同社の最高技術責任者となりました。現在、彼の役員としての任務には、製品ライン担当の副社長としての責任が含まれており、彼は0~12インチのテーパローラベアリング事業全体を率いています。この事業は、約120年に会社を設立されたときからの中核事業です。

成熟した業界においてその分野の事業を成長させ、活気と重要性を持たせ続けるために、スミス氏は売上だけでなく利益の拡大も任されています。つまり、事業が財務上の利益を上げるようにし、新しい用途をもって新技術を顧客に紹介し、新しい素材、新しい製造技術を生み出すのです。

グローバルな成長によりミリ寸法製品の機会を創造

ティムケンが2015年にルーマニアのプラホヴァにテーパローラベアリングの新工場を建設することを決定したとき、さまざまな検討課題が浮かび上がりました。ティムケンは北米で事業を開始したため、当然ながらヤードポンド法でベアリングを提供していました。1920年代に世界に展開した同社は、ミリ寸法のサイズも含むよう製品を拡大しました。

「この工場では、ヨーロッパ全体で使用されているミリ寸法の製品に重点を置いていました」とスミス氏は述べます。ティムケンが製品を提供している農業、建設業、鉱業などの市場に関わるヨーロッパの設計者は、100~300ミリメートルサイズのテーパローラベアリングを必要とする多様な製品を生み出しています。新工場は、地域内のティムケン販売代理店からくる増え続けるアフターサービス需要を満たすのに役立ちます。

「ティムケンは、高品質で高性能な製品で知られていますが、人が深く関与するテクニカルサービスモデルでも知られています」とスミス氏は述べます。OEM顧客が事業を行う地域にサプライチェーンと製造工場を持つことは、製品ラインを拡大するのに不可欠です。

世界的なリーダーシップを支える最新鋭の工場

ティムケンは、プロイエシュチ近くの工場を買収した1997年以来、ルーマニアでベアリングの製造を行ってきました。その工場で、同社は産業用の大口径ベアリングを製造しています。「地理的には、私たちは進出したい市場のちょうど真ん中に位置しています」とスミス氏は述べます。

プロイエシュチからわずか20キロの場所にあるプラホヴァ新工場には、コンピュータ制御、ロボット、および自動化の洗練された最新技術が備えられています。「私たちは近代的な製造業という概念を、次の段階へと進めたのです」とスミス氏は述べます。

プラホヴァの従業員は新たなレベルの技術的知識と工学的な洞察力を発揮していますが、ティムケンの基本的な経営方法は変わっていません。スミス氏は次のように述べています。「プラホヴァ工場では、多種多様で大量の部品番号を迅速かつ効率的に扱う態勢が整っています。当社の改善された経営モデルと最先端のテクノロジーがそれを支えているのです。」

ティムケンの品質を世界の果てまで届ける

プラホヴァ工場へのティムケンの投資は、ティムケンの製品性能で常に中心的な役割を果たしてきた熱処理および仕上げプロセスにおいて、同社が重要な一歩を踏み出したことを表しています。プラホヴァで展開された先進的な無心焼き入れプロセスと炉技術は、熱処理プロセスを通じて一貫性を改善し、下流の生産性を大幅に向上させました。

これらの技術とプロセスは、ティムケンがテーパローラベアリングの世界をリードするメーカーとしての地位を維持するのを支えています。「当社のパートナーは、何よりも一貫性と信頼性を重視しています。他社製品との比較試験では、当社のテーパローラベアリングが競合製品より長持ちすることが示されています」とスミス氏は述べます。

その性能は、材料仕様、熱処理、および仕上げプロセスという3つのティムケンの差別化要因によるものです。「さらにその上に、当社がプロセスとサプライチェーン全体で仕様する品質システムと検査技術が加わります。このように、私たちは設計通りにものをつくることを確実にするのです」とスミス氏は述べています。

市場がピークに達している場合は特に、リードタイムとサービス率も重要です。ルーマニアにもう1つの工場を設立することは、ティムケンがこれらの領域で高い水準を維持することにも役立っています。「当社は、ヨーロッパとアジアのテーパローラベアリング市場で急速に成長してきています」とスミス氏は述べています。

アジアの企業は、製品設計の中心地としてヨーロッパにますます注目しています。プラホヴァ工場は、次世代の設計を構想するアジアの顧客に影響を与え、深く関わることができる重要な位置に置かれています。「それによってアクセスが容易になります」とスミス氏は述べます。「私たちは設計プロセスの最初から顧客に寄り添うことができ、工場を見せたり設計チームと交流したりできます。」

ティムケンの製造施設の新基準

1899年の創業以来、ティムケンは製品ラインを大幅に拡大してきましたが、テーパローラベアリングはその基盤であり続けます。動力伝達システムの急速な革新が起こり、移動および輸送におけるトレンドが変化するこの時代において、テーパローラベアリングは、荷重を動かすものを設計する者にとって不可欠です。

製品ライン担当副社長のダグ・スミス氏は、ティムケンの世界級のテーパローラベアリングが、他の分野においてティムケンが成長する基盤としてどのように役立っているかを語ります。

「これらの新しいシナリオの多くでは、より動力密度が高く、低燃費で、経済性がさらに高いテーパローラベアリングが必要とされています」とスミス氏は述べます。「これは、私たちがプラホヴァ工場で実現できることです」「プラホヴァ工場にある熱処理能力と仕上げ技術を使用して、小さくても強力な非常に動力密度の高い製品を作ることができます」と彼は述べます。

スミス氏はプラホヴァの成功を積み重ねていくことを楽しみにしています。「私たちは、この工場で新たな技術を開発し、それを導入しながら、これまでとは異なる考え方をするように努めています。これは、このクラスの製品における当社の経営モデルの実質的な新基準です。」と彼は述べています。

さらに、彼は次のように述べます。「私たちは常に、品質、信頼性、および性能を重視してきました。そして、この施設とそこで製造する製品を設計する際は、それらに関する妥協を許しませんでした」「これはティムケンの昔からの取り組みの姿勢であり、それが主要な顧客からの受注を拡大するための資産であることがすでに証明されています。」